今年最後の寒波だという天気予報士の言葉通り、数日前の真冬の寒さは消え、今日は春のような日差し。 暑いのが嫌いで寒い方がまし、とは思っていても、春のような暖かさはやはり嬉しい。
仕事に出かける時の交通手段は、相変わらず電車、JRだ。 最近では、往路は「湘南新宿ライン」または、りんかい線直通の電車を使う。 一番前の車両に乗り込み、風景を眺めたり、子供の時のように運転室越しに行く手の線路を目で追ったりする。
運転室の模様は無骨で、まあ、それは機能的ならそれで良いのだろうけれど、 写真で見る航空機のコクピットとは似ても似つかないほどのアナログな風景だ。 機器は最先端なのかも知れないが、各モニターや機器の取り付けはあからさまなビス止めで、 そりゃあ、頑丈そうだけれども、色気は全くない。 機能的なものは美しいという・・・例えば車のような・・・そういう風情とは無縁だ。
それでも運転手の背中越しに前方を眺めていると、電車を運転してみたくなる。 子供の頃は、自宅の庭に専用の駅を作り、そこに鉄道をひくのが夢だった。 勿論、運転手は私だ。 運転シミュレーションのゲームが流行るのがよく理解できる。
ふと、運転席周りに目をやると、ブレーキのレバーやアクセル?のレバーが並び、 パネルにはスピードメーターだの、電圧計・電流計だののメーターが並んでいる。 そこだけ見ていれば、やはり、先端の技術が盛り込まれているのだろうと感じ、 ワイパーの超超アナログで古典的で滑稽な姿が微笑ましくもある。
しかし。
パネル左側に縦長の長方形の形にフタがしてある。 そこには本来あるべきものがあって、しかし、何らかの理由で取り外し、 穴があいてしまうので目隠しに板を張ってある、そんなカンジだ。
はたして、その通りであった。 その目隠し板には文字が書かれていて、
この計器は故障の為取り外し調整中です
と書かれていた。
え?
無くても影響ない計器が備わっているのか? いや、計器類は必要だから備わっているのであって、なくちゃ困るのじゃないのか? 運行に支障はないのか? 当然の疑問である。
しかし、電車はいつも通り定刻通り、なんの破綻もなく大崎駅に着いたのであった。 飛行機のように墜落することはないにせよ、ちょっとコワイ事ではある。
(後日談) 取り外してある計器とは、ドアの開閉状況をモニターするものらしい。。。。 (下の画像は記事とは直接の関係はありません)
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