♪電話ぁーーにゃもうぉぅ出んわ...
こんなダジャレの効いた歌を、その昔沢田研二は歌っていた。 確かな事である。 (それも、自身の作詞だったと記憶している)
筒井康隆がエッセイで、「電話のベルというのは、はよでぇ、すぐでぇ、というように聞こえる」と、 何かに書いていたが、確かにそう感じる事もある。 筒井康隆の場合は売れっ子ゆえ、それは殆どが原稿の催促だったからに違いない。 そうでない私でも、FAX受信から電話に切り替わる「カチッ」というリレーの音にびくっとする。
時は週末、宵も深まる10時半、テレビの映画放映では長い前置きを経てまさにクライマックスに到達する瞬間。 電話の方から「カチッ」と音が聞こえてくる。 まさか。 いや、電話が鳴る前兆に違いない、そのまさかの電話だ。ほら鳴った。
練習が終わり食事を済ませれば大抵はPCの前に座っている。 そんな時は決して電話はかかってこない。 電話がかかってくるのは、必ず たま〜にテレビなど見てくつろいでいる時だ。 それも、簡単に話が済むような相手ではなく、いつも親しい人。 電話に出ればでたで話が弾み、気が付けば映画はとっくに終わっている。 映画を気にしていても小心者の私は、映画が観たいから、などと切り出せない。 大抵は親友のM。
M「おーーーい」 私「おお、どうしたん?」 M「またフォーマットやってる、これで78回目」 私「よーやるなあ、どして?」 M「ビデオキャプチャーしてたりしたらおかしくなってきてさあ、面倒だからフォーマット」
フォーマットする方が余程面倒くさいと思うのだが。 いかがなものか。スッキリ爽快にはなるだろうけど。
スッキリといえば、オマケがある。 どうもMと電話で話していると私はもよおしてくる。それも 大。 何故だか知らないが、どうしても出そうになる。
M「おい、なんか音変わったぞ、残響が増えた」 私「分かる?」 M「オマエ、イレト(業界用語)じゃねーだろーなあ!」 私「へへ、アタリ」 M「またかよ、げ、音、さすな!」 私「んなこと言ったって、、、」
大いに盛り上がる。映画の事なんか忘れてしまう。 ワイヤレスの子機とは大変便利なものだ。 (こんな催しもあるそうな http://sonore.tripod.co.jp/Unchi.html)
昨夜は「ターミネーター・2」が放映されていた。 この手の映画、大好きなのである。 シュワちゃんも大好きなのである。憧れてしまう。 案の定、やっぱり電話が鳴った。出てみると昔からの知人、 大阪に住むアマチュア音楽家のKさん。 私が高校生だった頃からの知り合いで、合宿で私が山を走って登るのに 社会人の彼は、吐きそうになりながらも付いてきた。 体力だけでなく、気もソートー若い。 これを読んでいる若者諸君、走って山登れますか?
とにかく、またしてもストーリーがクライマックスを迎える直前、 夜の10時半頃電話がかかってきた訳だ。 もう諦めるしかない、久しぶりでもあるし電話に熱中する。
K「久しぶり、元気?」 私「元気元気、アンサンブル楽しんでいます?」 K「うんうん、あのね、フルート買っちゃった」
それが言いたかったらしい。
私「へえ、何買ったの?」 K「Pの木管」 私「ほぉーー(ち、羨ましい)」 K「いやーー、その気無かったんだけど、吹いてみたら良くてさあ」 私「ふぅーん」 K「で、買っちゃった」
半ば衝動買いだったそうだ。
K「新しい楽器手に入れたんで、誰かに話したくてさあ、、、」 私「そうだよね、わかる、わかる、(けっ)」
のろけられるより、楽器買ったと言われる方がクヤシイ。 映画のラストも観られなかったし。 (でもイレトは行かなかった)
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