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2003年05月25日の日記

食わず嫌い
食わず嫌いと言っても、食べ物のことではない。
大体、食べ物はカリフラワー以外何でも好きである。
カリフラワーは、食べたときの、あの、ぼろぼろと崩れるような食感が気持ち悪い。
食べた上で嫌いになったのだから、これはもう、大いばりで「嫌い」だと宣言出来る。
(だけど、ブロッコリーは大好き)

音楽を職業にしていても、音楽の好き嫌いは当然ながら、ある。
ドイツ・ロマン派が大好きなのだが、しかし、後期ロマン派の
オーケストラの編成が肥大した難解かつ長大な曲は苦手だ。
R.シュトラウスやブルックナー。
苦手だ。
昨年聴きに行った演奏会では、ブルックナーの7番、辛かった。

マーラー、これはまあ、何とか聞ける。
有名な5番なら生でも聞いたことがあるし、CDも持っている。
アダージエットは死ぬ程美しいと感じるし、フナーレの終わり方は格好良すぎてどきどきする。
でもそれだけ。
他のシンフォニーを聴こうとする積極性はなかった。

そんな私が、仕事であるオケの定期でマーラーの9番に乗ることになった。
もちろん、スコアやCDなど持っているはずもなく、早速購入、聞いてみる。
ああ、なんと長大で難解なことか。
1楽章なんか30分もあるぞ。
スコア見ていても、どこをやっているのか見失いそうになる。
ffの中でppのパートがある。
そんなの聞こえないし、意味あるの?と感じてしまう。

不安を抱えつつ練習初日。
指揮は、尾高忠明氏。
指揮のありがたさを感じる。
分かるじゃないの、どこやっているか。
意味あるじゃないの、pp。
結構良い曲じゃないの、9番。

練習を通じて曲の細部まで理解が及び、良さも感じられるようになる。
ああ、これがクラシック音楽の奥の深さだな、とも思う。
人間同士だって、付き合っていくうちに相手のことが分かってきて、
好きになったり、良い面も悪い面も見えてくる。
ちょっと話したぐらいでその人間のことを評価出来る訳もない。
クラシック音楽というのは、人間に対峙するのと同じ事、
つまり、人間にとってごく当たり前で自然なことなんだな、と改めて思う。

楽しかったなあ。
2003年05月25日(日)   No.25 (音楽全般)

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